CEC 2021 コンペまとめ 2/2

進化計算


 進化計算系の学会である CEC では、論文発表以外にも コンペとして 問題提起・解決を行うものがあります!
その数なんと 10個! 前回の記事では その半分となる 5個を紹介しましたが、今回の記事では、残りの 5個のコンぺについてまとめていきます!!



後編の 残り5個についてはこちらの記事から!

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CEC コンペ 後半

C-6 : Evolutionary Computation in the Energy Domain: Smart Grid Applications

エネルギー領域における進化的計算 : スマートグリッドへの応用

概要

GECCO, CEC に共通する コンペ

エネルギー分野における複雑な問題を解決するための メタヒューリスティック・アルゴリズム(進化的アルゴリズム、群知能、分布推定アルゴリズムなど)を提案・実装し 2つの異なるトラックを提供することにより、エネルギー分野における複雑な問題を解決を目指す

C-7 : AbstractSwarm Multi-Agent Logistics

抽象的なスウォーム・マルチエージェント・ロジスティクス

概要

GECCO, CEC に共通する コンペ

未知の物流問題を協調して解決することができるエージェントを開発する

ドイツのヨハネス・グーテンベルグ大学マインツ校の大学医療センターの医療情報学部門(IMBEI)(https://www.unimedizin-mainz.de/imbei/medical-informatics/welcome.html?L=1)で開発されているAbstractSwarmシミュレーションシステムが使用される予定

他のエージェントがアイドルタイムにならないように、適切なタイミングで接続されたステーションを訪問しなければならない

エージェントは

  • 次に訪問する駅を決定することで
  • 他のエージェントと通信することによって
  • その前の決定に対する報酬を取得することによって

グラフと情報共有することができる

また、シナリオをシミュレートしている間、全てのエージェントの決定に従ってガントチャートが作成される。

作成されたチャートにおける全エージェントのアイドル時間の合計が評価基準として使用される。

C-8 : Multimodal Multiobjective Path Planning Optimization

マルチモーダルな多目的経路計画最適化 MMOPP

概要

Path planning 問題は、典型的なMMOの問題であるが、ベンチマーク問題は公開されていないので、複数のPSを持つ多目的経路計画問題を出題し、それについて議論を行う

主な対象範囲

  • 多目的経路計画最適化問題に対する進化的アルゴリズム
  • 多目的最適化のため
    • 進化的アルゴリズム
    • ニッチ化技術
    • 並列コンピューティング
  • 多目的経路計画最適化問題に対する
    • ハイブリッドアルゴリズム
    • 適応的アルゴリズム
    • サロゲート テクニック
    • Memetic computing
  • 多目的経路計画最適化問題の解決に役立つ機械学習手法
  • 多目的最適化テスト問題の設計法
  • 多目的最適化における意思決定
  • 関連理論解析
  • 関連アプリケーション

C-9 : Strategy Card Game AI Competition

戦略カードゲームAI の コンペ

Legends of Code and Magic (LOCM) という AI研究のために設計された、戦略カードゲームを題材にしたコンペ

2019年の CEC や COG でも使われていた

C-10 : Evolutionary Transfer Multiobjective Optimization (ETMO)

進化的転移多目的最適化

概要

ETMO の ベンチマーク問題を解く

現在のEAベースのソルバーは一般的に完全にランダムな母集団から探索を開始。つまり、新しいMOPが与えられると、それが既に対処したMOPとどれだけ似ているかに関わらず、ゼロから探索を行う

既存のEAは、類似のMOPに存在する可能性のある有用な知識をまだ十分に活用できていない

  • 一定の類似性を持つ異なるMOP間での自動的な知識の伝達と再利用が明らかに不足していることが、あまり研究されていない

過去の経験を再利用して関連する問題を解くことができる転移学習に触発されて,転移学習に基づく手法は進化的最適化で広く用いられており 、進化的転移多目的最適化(ETMO)は進化的計算研究の新しいフロンティアとなっている

一般に、MOPsの解法に転移学習法を適用する場合、以下の3つのポイントを考慮する必要がある

  1. 転移性、すなわち、負の転移を回避する能力
  2. 転送の構成要素、すなわち、関連するMOPsからどの潜在的な知識が転送可能で有用であるかを特定すること
  3. 転送方法:学習した知識を効果的に再利用して、新しいMOPの最適化に役立てること

ETMOは、EAアルゴリズムと知識学習および関連領域間の伝達を統合したパラダイムと定義され、多目的最適化問題、動的最適化問題、マルチタスク最適化問題、大規模最適化問題、実世界の複合最適化問題など、様々な問題を解く際に最適化性能を向上させることを目的としている。最後に、このコンペティションの目的は、様々なタイプのMOPを解く際の性能を向上させるために、知識移転を伴う新しいETMO手法を調査することである。

本大会では、様々な定式化モデル、様々なPS形状やPF形状、大規模変数、動的に変化する環境など、マルチタスクの場合の多様な種類と特性をカバーする新しいテスト関数群(ETMOFと呼ぶ)を設計しています。具体的には、提案するテストスイートには40のベンチマーク問題があり、以下の5種類に分類される。

(1) 進化的移植型多目的最適化問題 : ETMOF1〜ETMOF8
(2) 進化的移転多目的最適化問題 : ETMOF9からETMOF16まで
(3) 進化的移転による大規模多目的最適化問題: ETMOF17〜ETMOF24
(4) 進化的移植による多能工最適化問題: ETMOF25〜ETMOF32
(5) 進化的移植による動的多目的最適化問題:ETMOF33からETMOF40まで

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おわりに

この記事では CEC2021で行われた 5つのコンペについて紹介しました。前編の 残り5個についてはこちらの記事からご覧になってください!

CEC 2021 コンペまとめ 1/2
 進化計算系の学会である CEC では、論文発表以外にも コンペとして 問題提起・解決を行うものがあります!その数なんと 10個! 今回の記事では、その半分となる 5個のコンぺについてまとめていきます!!...

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